企業金融の理論と実務 第5回 講義録
2021年10月14日の第5回講義では、ゲストとして東京証券取引所・上場部長の林謙太郎様をお招きし、お話いただきました。
冒頭に幸田先生によるガイダンスに続いてメインパートでは林様から取引所に関する基礎知識、市場の信頼性確保にむけての具体的な活動や今後の課題についてお話し頂きました。特に、現在注目されている来年4月の市場区分の再編については、その概要、どういう考え方で再編を行うのか、今後の課題は何かなどについて説明していただきました。幸田先生・林様による対談では、「コーポレート・ガバナンス改革をさらに実質化するために取引所が果たせる役割」や、「市場区分の見直しに伴う経過措置の在り方」といった最新のトピックについて議論がなされました。
履修者からの「デジタル化が進んだこのご時世においても、どうして東京・大阪・名古屋・札幌・福岡という各地に証券取引所があるのか」という質問に対しては「ご指摘のとおり、地域によるすみ分けの意義は低下しているものの、投資家のニーズや上場企業のニーズを踏まえてそれぞれの取引所が特色のある運営を行うことが理想」という回答を頂きました。
履修者アンケートでは、「東証については漠然としたイメージしかなかったが、今回の講義で具体的な機能や役割を理解することができた」、「実務家の話が聞ける貴重な機会であり、とても興味深い内容だった」といった感想が多数寄せられました。